2025年ニュース

群馬県上野村における2025年度「災害時の電力供給システム(地域マイクログリッド)の対応訓練」を実施

お知らせ

 群馬県上野村は村民の幸福度向上のため、災害に強く持続可能な社会構築を目指しております。この実現に向けて、経済産業省「令和3年度および令和3年度補正 地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金」を受け、上野小学校、給食センター、そして一般送配電事業者の配電線を活用して上野村当該エリアに「上野村における太陽光発電設備を活用する地域マイクログリッド(※)」を構築し、2023年3月から運用開始して約2年半が経過いたしました。
 株式会社東光高岳は当該エリアに複数ある太陽光発電設備、蓄電システムおよびディーゼル発電機を監視制御するエネルギーマネジメントシステム(以下EMS)をご採用頂いている他、災害時のマイクログリッド事業者の支援業務を受託しております。


 当該地域マイクログリッド構築・運用に係るコンソーシアムメンバー(上野村:マイクログリッド事業者、東京電力パワーグリッド株式会社:一般送配電事業者、株式会社東光高岳:システム設計・構築、電力供給・系統維持運用支援、群馬県:行政支援)は主要施設である上野小学校ならびに給食センターにおいて、2025年8月1日に災害時を想定したマイクログリッド応動訓練を実施しました。本訓練は運用開始から3回目の開催となります。
 訓練では、被災想定シナリオを設定し、「当該エリアの解列」、「住民周知」、「発電設備の起動」、「マイクログリッド発動中の運用管理」、「復旧に伴う系統への再接続」等の応動手順や連絡体制などをコンソーシアムメンバー内で確認しました。


 当社の役割としては、訓練前に昨年の訓練結果や懸念事項をコンソーシアムメンバーへフィードバックをおこなうとともに、連絡対応の効率化、作業安全面の注意などについてコンソーシアムメンバー間で協議を行い,応動を熟成していくことにあります。
 訓練当日は、猛暑が想定され、熱中症リスクを考慮した訓練を提案し、安全に訓練を遂行できるようコンソーシアムメンバー間の調整を実施しました。
 また、実際の訓練では当社内にマイクログリッド支援チーム(情報班、復旧班、システム班)を立ち上げ、現地派遣を円滑に実施し、マイクログリッド事業者への技術的な補助や一般送配電事業者との迅速な連携を実現いたしました。
 なお、本年は群馬県グリーンイノベーション推進課の方々も現地上野村の訓練に参画頂き、実際の設備を確認しながらの応動訓練を実施できました。机上間で応動連絡訓練を実施するより、マイクログリッド構築の発動~復旧までの流れがコンソーシアムメンバー間でより明確となり、実のある訓練にご協力頂きましたこと感謝いたします。


 今年は見学者含め多くの方々にご参加いただきましたが、体調不良者を出すことなく、昨年よりも安全で円滑な訓練が実施できました。コンソーシアムメンバーの方々からも構築手順への理解向上や次回訓練への積極的な参加表明など好意的な講評を多くいただきました。

 我が国は再生可能エネルギーの地産地消による効率的なエネルギー利用が期待される中、近年自然災害等の大規模災害が増加する傾向にあり、一層の地域レジリエンス強化が求められています。当社はマイクログリッドに関わる構築技術・運用ノウハウを蓄積し、長く電力業界に携わるメーカーとして、ユーザーと一般送配電事業者と発電事業者と小売事業者との橋渡し役も担うことで、今後の地域防災や脱炭素への取組に貢献してまいります。

※地域マイクログリッドとは、「平常時は下位系統の潮流を把握し、災害等による大規模停電時には自立して電力を供給できるエネルギーシステム」

1.訓練の様子
       (訓練主旨説明・事前確認)                (区分開閉器操作訓練)

       (EMS監視・操作訓練)                 (太陽光設備整定値変更訓練)

       (非常用発電機操作訓練)               (EMSでのMG設備状況遠隔確認)

2.上野村における地域マイクログリッド構築の概要
 2023年3月 上野村は小学校ならびに隣接する給食センターに太陽光発電設備、蓄電システム、ディーゼル発電機およびそれらを監視制御するエネルギーマネジメントシステム(EMS)等を導入し地域マイクログリッドを構築しました。(地域マイクログリッドを構成する設備の概要ならびに地域マイクログリッド概要図 参照)
 平常時は、小学校と給食センターの各受電点潮流を管理し、太陽光発電設備および蓄電システムを協調制御することで再エネの地産地消を実現します。
 災害時は、小学校と給食センターで発電した電力を、両需要場所を結ぶ配電線を活用して特定エリアに供給します。(非常時に電力供給される主な施設 参照)このとき、マイクログリッド内の電力供給を安定的に行うため系統周波数を管理制御するとともに、再エネ利用を促進してディーゼル発電機の使用燃料を軽減し、長期的な電力供給を行います。地域マイクログリッド構築によって、最低限の電力供給を実現し、避難所の総合機能強化や住民の安全性向上を図ります。

・地域マイクログリッド運用開始:2023年3月1日

・地域マイクログリッドを構成する設備の概要:
shisetsu.jpg

・地域マイクログリッド概要図 microgrid.jpg

・非常時に電力供給される主な施設:
setsubi.jpg

以 上


本件に関するお問い合わせ先

株式会社東光高岳
GXソリューション事業本部 事業開発推進室
電話:03-6371-5515



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